【包丁の鋼材】青鋼(青紙)

青鋼(あおこう)とは品質の良い白鋼(しろこう)に対してクロム(Cr)やタングステン(W)を添加した合金鋼のことです。

また青鋼は日立金属株式会社のブランド鋼でもあり、包丁鋼材として利用される鋼の中では最上位の品質を誇ります。青鋼といった呼び名の他にも青紙(あおがみ)などとも呼称され、グレードを示す際には青一鋼(青紙1号)や青二鋼(青紙2号)といった呼ばれ方をします。

青鋼
もくじ

青鋼(青紙)の種類

青鋼と言っても、青一鋼や青二鋼といった種類が存在し最上位グレードとして青紙スーパーという鋼材もあり、それぞれに独特の性質があります。これらは、わずかな合金元素(クロム/タングステン)を加えることで、優れた硬度と耐摩耗性を付加した鋼となります。

青鋼の他にも白鋼(白紙)や黄鋼(黄紙)等と言った鋼材がありますがその中でも最も品質の高い鋼材として位置付けられるのが青鋼です。

スクロールできます
炭素(C)クロム(Cr)タングステン(W)バナジウム(V)ケイ素(Si)マンガン(Mn)リン(P)イオウ(S)
白一鋼(白紙1号)1.30.150.250.0250.004
白二鋼(白紙2号)1.10.150.250.0250.004
青紙スーパー1.450.352.250.40.150.250.0250.004
青一鋼(青紙1号)1.30.41.750.150.250.0250.004
青二鋼(青紙2号)1.10.351.250.150.250.0250.004
各鋼材の成分表(参考値)
  • 成分に幅がある場合は、中央値や最大値を記載しています。

青二鋼(青紙2号)

青二鋼とは、白二鋼にタングステン、クロムを添加した合金です。結論を書いてしまいますととても切れ味がよく摩耗性にも富んでいる為長切れする包丁ということになります。

  • 耐摩耗性の向上
    タングステンは非常に硬い素材であり、鋼に添加することで、刃の耐摩耗性を大幅に向上させることができます。これにより、刃が長持ちし、鋭い切れ味を長時間維持することが可能になります。
  • 耐錆性の向上
    クロムは鋼の耐錆性を向上させる要素です。クロムを加えることで、刃物が腐食に対してより耐性を持つようになります。
  • 硬度と靭性のバランス
    タングステンとクロムの添加は、硬度を高めると同時に、適度な靭性も保ちます。硬度が高いと刃が維持しやすく、靭性があると衝撃による破損が少なくなります。このバランスは、特に刃物にとって非常に重要です。

青一鋼(青紙1号)

青一鋼は不純物の少ない白一鋼に対してタングステン、クロムを添加した合金です。

炭素の含有量が多い鋼ということは不純物が少ないことになります。そうすると食材を切る際のわずかな抵抗に直結するためよく切れる包丁ということになります。これに対して青二鋼より更にタングステンやクロムの含有量を増やすことで、より切れ味が持続(長切れ)し包丁の中でも特に長く使い続けることができるようになります。

しかし、その一方で高度が高く長切れするということは包丁研ぎなどのメンテナンスにもそれ相応の時間と根気が必要となります。

青紙スーパー

青紙スーパーは青鋼の中でも最上級の品質の良い鋼材といっても差し支えないでしょう。青一鋼よりも更に高炭素鋼をベースとしてまたタングステン、クロムの含有量も多くなっています。これに加え硬度、靱性、耐摩耗を向上させるためのバナジウムも添加されており更なる切れ味と長切れに寄与しています。

理論上ではこれにまさる程の包丁はそうほぼありませんが値段も高価になります。また、いくらかは錆に強い設計となっていますがメンテナンスを怠ればやはり錆ます。

とても良い包丁鋼材でロマンはありますが、一般家庭でのご使用ということになりますと手間暇もかかりますので上級者向けの包丁となります。とは言っても手間暇をかけてこその包丁でもあります。

価格と購入方法

青鋼の包丁を手に入れることは、料理の腕を上げたいあなたにとって、まさに次のステップと言えるでしょう。しかし、その際には価格と購入先を賢く選ぶことが重要です。

価格帯の概要

青鋼包丁はその品質と耐久性から、一般的な包丁と比べて高価な傾向にあります。価格は製法、サイズ、鍛冶師の技術レベルによって異なりますが、手ごろなものであれば数千円から、高品質なものになると数万円、場合によってはそれ以上になることも珍しくありません。しかし、料理への投資と考えれば、その価格も納得のいくものです。

購入先に関しては、選択肢は豊富にありますが、質の高い青鋼包丁を選ぶには、信頼できる専門店から購入することをお勧めします。また、インターネット上でも多くの専門店が高品質な青鋼包丁を提供しており、商品の詳細や職人の背景についての情報を提供しているため、自宅にいながらにして慎重に選ぶことが可能です。

安来鋼(やすきはがね)の一種である青鋼は、青一鋼や青二鋼など、異なる性質を持つ種類があり、それぞれが独自の価値を提供します。切れ味の高さや持続性という、青鋼包丁の特性は、料理の質を左右する重要な要素です。

これらの包丁は、プロのシェフから愛好家まで、幅広いユーザーに支持されています。高価であるものの、その価格は優れた性能と耐久性に見合ったものであり、料理への投資としては非常に価値があると言えるでしょう。

購入する際は、信頼できる専門店を選び、職人の技術と情熱が込められた一本を手に入れることが大切です。当店では、堺孝行ブランドを中心に、青木刃物製作所作成の高品質な青鋼包丁を取り揃えております。料理の質をさらに高めたい方は、ぜひ当店で理想の一本を見つけてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

もくじ