現在、刃物の産地である堺や関、三条や武生、三木というところでも、職人が高齢化しあとを継ぐ人も少なく、どこも職人の数は減る一方です。
戦後、低価格の量産品におされ、伝統的な打ち刃物は調理職人などをのぞいて、一般需要は減るばかりです。
伝統的な打刃物と機械化で量産できる洋包丁(型抜き刃物)はまるっきりちがうものです。おしゃれではないけれど、味があって、切れ味も抜群です。
多くの方に打ち刃物の素晴らしさをしっていただき、使っていただきたいとおもいます。需要がふえれば職人の収入も増え、職人になろうという人も増えると思います。
「村の鍛冶屋」の童謡にあるように、かつては各村に一件や二軒、野鍛冶(農具や包丁などを専門に作る鍛冶屋のこと)鍛冶屋がありました。
地方の鍛冶屋は今、まさに消えようとしています。
そんな鍛冶屋の一つ一つがここ、浅野刃物店です。
石川県にはまだこんな野鍛治が3軒あります。能登の珠洲市三崎町と宇出津とここ鶴来町にあります。かつては、多くの鍛冶屋があり、劔(つるぎ)町と呼ばれていましたが、一軒減り、一軒減りとうとうこちらに一軒になりました。
ご主人は現在80才になられます。
その後、加齢により廃業されまして、この包丁はもはや作る人がいません。2023年時点です。